はじめに
デヴィッド・リンチは、シュルレアリスティックな映画監督、アーティストとして知られていますが、実は世界平和に対する強い願いを持っています。
彼の作品のテーマにも平和のテーマが反映されているところもあり、特に晩年は瞑想活動を通じて平和への貢献を目指していました。
本記事では、リンチと世界平和の関係について深掘りしていきます。
デヴィッド・リンチの超越瞑想(TM)への取り組み
リンチは、1973年から超越瞑想(Transcendental Meditation, TM)を実践していました。
TMは、マハリシ・マヘーシュ・ヨーギーによって提唱された瞑想法の一種で、内なる静けさを見つけ、ストレスを軽減する効果があるとされる瞑想法。リンチ自身、瞑想によって創作活動が豊かになるだけでなく、平和な心を育てると語っていますね。
そして、瞑想をすることで「ネガティブな思考を排除できる」とも語っています。
なにより、リンチ自身の振る舞いや表情を見ても、そこに平和があることが伺えます。
はじめにデヴィッド・リンチの創造性と、超越瞑想(Transcendental Meditation)の関係を無視することは出来ません。なぜなら、リンチは1973年(当時27歳)に、超越瞑想を始め、それ以来1日2回の瞑想を毎日行ってき...
デヴィッド・リンチ財団とその活動
2005年に設立した「デヴィッド・リンチ財団(DLF)」は、TMの普及を通じて平和と幸福を広めるための活動を行う団体です。
財団の主な活動:
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- 戦争帰還兵のPTSD治療
- 学校でのTM導入による暴力やストレスの軽減
- ホームレスや囚人など、社会的に困難な状況にある人々の支援
リンチは、「平和は世界中の人々が心の中に見つけるべきもの」と述べている。
グループでの瞑想
この超越瞑想を全世界の0.1%の人数(約1万人)で一緒にグループで行うことで、その効果は集合意識において、瞑想をしていない人にも伝達出来ると言われています。
補足説明
「集合意識(Collective Consciousness)」は、個人を超えた全体的な意識や知識の集合体を指す概念で、特に哲学や心理学、社会学などで用いられる言葉です。フランスの社会学者 エミール・デュルケーム がこの概念を提唱したことで有名です。
平和のパワーを同時に放射することで、世界平和につながるとリンチ自身も説いています。
▼参考ドキュメンタリー動画
ウクライナとロシアの戦争が始まった際には、短い動画で、このグループ瞑想の呼びかけをしていました。
これを見ると、どれだけ本気で平和への活動を自身の使命としていたかが伝わります。
デヴィッド・リンチ作品と平和へのメッセージ
『ストレート・ストーリー』:平和と和解の物語
兄弟間の和解を描いた本作は、リンチの平和への願いを象徴しているのかもしれません。
『ツイン・ピークス』の光と闇の対比
ブラック・ロッジやホワイト・ロッジの概念は、平和と混沌の戦いの象徴とも言えます。
光を描くには闇が必要だと、リンチは早くからその事実に目を向け、表現してきたと感じます。。
例えば、『ブルー・ベルベット』のカオスの中にある純粋性や平和との対比や、『ツイン・ピークス』ではそれが顕著になりました。
『ツイン・ピークス・ザ・リターン』の第8章では、原爆が開発され人類史上初めての核実験「トリニティ実験」の描写がありましたね。
この物語は、現代の世界への壮大なリンチなりのメッセージであり、平和への願いが込められているんだと思います。
世界平和のためのイベント開催
デヴィッド・リンチ財団は、瞑想や平和をテーマにしたイベントや講演を積極的に開催していました。
中でも、超越瞑想の実践者である著名人(ポール・マッカートニーをはじめ)に呼びかけ、大規模なコンサートを開いたりしています。
デヴィッド・リンチの言葉に見る平和への信念
平和は内側から始まるというリンチの哲学的な言葉があります。
彼がインタビューや著書で語った平和への願いと、それを実現するための具体的な行動を様々なメディアで垣間見ることができます。
デヴィッド・リンチが示す平和の道
デヴィッド・リンチは、映画世界の中では暴力も描いてきましたが、反対に眩いほどの愛も描いてきました。それは両方とも表現としての必要な要素でありました。
現実世界では、自身が行ってきた超越瞑想を通じ、平和と内面の静けさの重要性を強調してきました。
それこそが、リンチが晩年伝えたかったことなのかもしれません。
彼の活動は、単なるエンターテインメントを超え、世界の平和への一歩を示すものである。と感じます。
私たちもまた、リンチの言葉や行動に触発され、内側の平和から世界全体の平和を目指すことができるかもしれません。