はじめに
デヴィッド・リンチは、その独自の作風で知られる映画監督ですが、彼の作品には多くの映画史に名を刻む監督たちの影響が垣間見えます。
本記事では、リンチが敬愛した監督たちを紹介し、それぞれの監督がリンチの創作に与えた影響を掘り下げます。
デヴィッド・リンチが愛した映画監督とは？
ビリー・ワイルダー
リンチは、最も好きな映画監督に、ビリー・ワイルダーを挙げている。
特に『サンセット大通り』と『アパートの鍵貸します』の熱狂的ファンである。
『サンセット大通り』と、『マルホランド・ドライブ』は類似点が多く、この映画の影響を感じます。
例えば、舞台がハリウッドの光と闇を描いている点や、現実と空想の区別があいまいになっていく様など。
フェデリコ・フェリーニ
次にお気に入りに挙げているのが、フェデリコ・フェリーニです。
フェリーニの幻想的で現実と夢の境界があいまいな映像表現が、リンチの作品に与えた影響を感じますね。
『8 1/2』と『道』を好きな映画に挙げています。特に『81/2』は家にポスターが飾ってあるほど好きらしいです。
エピソード豆知識
リンチがイタリアで撮影している時、フェリーニが入院していると聞き、会うことは出来ないかと関係者に尋ね、一度は断られたが、フェリーニの姪が特別に会う手筈を整えてくれ、会うことができた。
その2日後にフェリーニは帰らぬ人となった。
スタンリー・キューブリック
スタンリー・キューブリックも相当好きらしく、最も好きな作品は『ロリータ』とのこと。
キューブリックといえば、『2001年宇宙の旅』を思い浮かべる人も多いと思いますが、『ツイン・ピークス・ザ・リターン』の第8章での視覚表現は、まさにキューブリックのそれの影響を感じずにはいられないものだった。
エピソード豆知識
リンチがスタジオで作業していた時、映画関係者が来て「昨日キューブリックと会ったんだ。そして、キューブリックが、『家に来て、僕の好きな映画を一緒に見ないか？』と言われた。」と。それが『イレイザーヘッド』だった。
アルフレッド・ヒッチコック
ヒッチコックの『裏窓』は、リンチを映画に狂わせた1作だと語っているほど。
ジャック・タティ
コメディーなら、ジャック・タティの『ぼくの叔父さんの休暇』をおすすめしている。
まとめ：リンチの創作の多様な源泉
デヴィッド・リンチの映画は、彼が敬愛する監督たちの要素をうまく取り入れつつ、彼独自の世界観を築いています。
これらの巨匠たちの作品に触れることで、リンチの作品をより深く理解できると思います。
ぜひこれらの監督の作品を観賞し、リンチの映画と比較してみてはどうでしょうか？
